SCENE 03: 裕福な女性たちが詰めかける場所で
MUMBAI (BOMBAY), OCTOBER 26, 2004

外出しようとホテルのエレベータに乗ったら、きらびやかなサリーを着た年輩の女性と、ジーンズにお洒落なシャツを着た娘らしき女性とが乗り合わせた。二人とも、両手にたくさんの紙袋を抱えている。

母親らしき女性が、わたしがインドのブラウスを着ているのを見て言う。
「今、バンケットルームでファッションのフェアをやってるわよ。そういうブラウスもたくさん売ってたわ。大勢の女性たちでごったがえしているけれど、行ってみてはいかが?」

それはいいことを聞いた。早速、バンケットルームへ向かう。

マリーゴールドの花があちこちにあしらわれ、まるでお祭りのような華やかさのエントランス。そこでは、インドの女性起業家たちによるテキスタイルや工芸品の見本市のようなイベントが開催されていた。

どのブースも大賑い。ハンドバッグからバサバサと札束を取り出し数える人々があちこちに。商品はどれも意外に高い。ビーズやスパンコールがあしらわれた、おしゃれなパーティー用のバッグを見つけたけれど、どれも50ドル以上する。ん? これは安いのか? 

会場内で友人に再会し、ハグしあう人々もあちこちに見られ、ともかく華やかなムード。

人々の熱気に気圧されて、わたしは早々に退散する。


通路を通るのも困難なほどの込み具合。おしゃれをしている女性たちの姿が目立つ。

とてもキュートな子供服。このブースは人が少なく、写真が撮れたけれど、あとはもう、人だかりで中がよく見えなかった。

なんてきれいな刺繍の帯! どこの地方のものかしら……。と思えば、中国からの輸入品らしい。日本の刺繍製品も輸入しているらしい。


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