SCENE 12: ようこそ。鳥たちのサンクチュアリへ
KUMARAKOM, KERALA, OCTOBER 29, 2004

大小の川に架かるいくもの橋を越えて、ようやくたどりついた。
湖のほとりにヴィラやコテージが点在する、小さな楽園。

湖を取り囲むように椰子の森。
舞い飛ぶ鳥たち。

椰子の実のジュースを飲みながらチェックインをして、
わたしたちのコテージがある場所まで、小道を歩いて行く。


10月29日(金)

■喧噪のムンバイから、別世界へと降り立つ

蒸し暑いけれど、都会で感じる蒸し暑さとは異なる。それはいかにも「南国のリゾート」を演出する気候で、独特の味わいがある。

ケララでの滞在先はタージ・ガーデン・リトリートだ。夫がタージ・グループのメンバーになっているので、滞在先は大抵、タージ系のホテルを選んでいる。

タージがインド人によって創業されたことは「インド彷徨(2)」にて、ムンバイのタージ・マハル・ホテルの説明を書いたところで触れているので詳細は略するが、このホテルはインド人に対して安めの料金設定をしている。夫はアメリカに住んではいるもののインド人であるので、外国人よりも少々安いレートで宿泊できるのだ。

さて、車を降り、オープンエアのレセプションでチェックインをしていると、椰子の実の上の方を切り、ストローを刺した「ココナッツウォーター」を差し出された。スポーツ飲料にも似た味わいのそのほのかに甘い透明のジュースは、乾いた喉を瞬く間に潤し、身体の中に吸収されていく。

わたしたちはコテージを予約していたけれど、広いヴィラにはプールもついていると聞いて、部屋を見せてもらうことにした。プール付きのヴィラの方がいいけれど、湖畔のヴィラはすべて満室らしく、ずいぶん離れた場所にある、眺めが今一つの部屋しか空いていなかった。

眺めのいい部屋の方が魅力的。というわけで、予定通り、小さな水辺に面したコテージにチェックインする。

部屋の大きな窓を開けると、そこには小さな湖。そして向こう岸には鬱蒼と茂る森があり、幾羽もの鳥たちが高みで羽を休めている。なんともいえず、のどかで平和な光景だ。


ケララの伝統的な建築をアレンジしたというヴィラ&コテージ。

プール付きのヴィラも見せてもらったけれど、湖から外れた眺めのよくない場所にしか空室がなかったので諦める。

 

プール付きのヴィラはバスルームが庭にある。開放感たっぷりすぎ。


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