SCENE16: 痛ましさ。たくましさ。
MUMBAI (BOMBAY) SEPTEMBER 4, 2005/ DAY 6

連日、届くハリケーンのニュース。一つの町が、水の底。
ホテルのTVで、CNNを見た。CNBCを見た。FOXを見た。NHKを見た。
日本からのニュースが一番、苦しみの中にある人たちの声をつぶさに、拾っていた。
それは、September 11th のときも、同じだった。
自由の国の、メディア・コントロール。あるいは自粛。

Anyway.
彼(か)の国に住んでいる者にしてみれば、多分「やはり」と思えてしまう悲劇。
けれど、彼の国を幻想している第三者にしてみれば、多分「あり得ない」と思える惨劇。

インドの新聞には、インド政府が被災者救援のために5ミリオンダラーを寄付したとの記事。
アフガニスタンまでもが、義援金を送ったとのこと。
「までもが」と言うのもまた、失礼な話ではあるけれど。

善意と駆け引きと、さまざまが入り乱れて、直截の感情を露出しがたい昨今。

Anyway.
1カ月前、やはり洪水で水浸しとなり、数千人の命が失われたムンバイは、
しかし呆れるほどにたくましい。


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