SCENE32: でへへへへ〜。(キングフィッシャー航空と、阿呆な男ども)
BANGALORE SEPTEMBER 11, 2005/ DAY 13

「ミホ、ニューデリーにはキングフィッシャー航空で行くからね」
「なにそれ? ビール会社の?」
「そう、あのキングフィッシャーが航空業界に参入したんだよ。
アメリカの
Jet Blue みたいな感じらしいよ」
「ふーん。じゃあ、機材も新しいんだ。サーヴィスはどうなのかなあ。ビール、出るのかなあ」
「あのねえ、フライトアテンダントが、みんなすごく美人らしいよ!」

その時点ですでに、満面の笑みをたたえていた夫。つくづく、ポーカーフェイスのできない男だ。

そして出発当日。毎度、ホテルを出る間際にもたもたする夫、責める我。
夫はふてくされたままタクシーに乗り込み、空港に向かう。
そしてキングフィッシャー航空のチェックインカウンターへ。

インドでは斬新ともいうべき、「膝上7センチ」の赤いミニスーカートを履いた地上係員等が、
あちらにも、こちらにも。チェックインのときにはすでに、頬が緩みっぱなしで、ご機嫌なハニー。

確かに、彼女らは「きれい」ではあるけれど、わたしの目には、少々「けばく」見える。
何しろ、そもそも濃い顔だちを一段と濃く見せるメイク。
わたしとしては、ジェット航空の、サリー姿の清楚なお姉様方が好みだ。
だが、男子はさにあらず。やはりミニスカートにやられるのか?

セキュリティーチェックを終え、搭乗直前、待合室のトイレに入った。
ん? 煙草の煙が充満している。
インドの女子トイレで喫煙者とはめずらしい、
と、ふと開放された個室を見れば、赤いミニスカートのお姉さんが二人、
まさしく、スパーッ、スパーッという感じで、煙草をふかしているではないか。

「ヤンキーな高校生」のごとく。
「あばずれ」のごとく。
たとえが少々、古いだろうか。

さて、駐機場での写真撮影は、禁止されているはずだけれど、
派手な機体をお姉さんを撮りたくて、急いでこっそり撮影。

ふむ? 中央に写っている、妙ににやけた男はなんだ?
空港の関係者か? 
それにしても、なんなんだ、このだらしない態度は。
そんなにうれしいのか、赤いミニスカートが。

まったくどいつもこいつも、阿呆丸出しだ!


新規参入のエアラインであるせいか、チェックインカウンターは、隅の方に「特設」状態。赤いつなぎを着た男性スタッフが、荷物をセキュリティーチェックに通したり、チェックインカウンターに運んだりと、手伝ってくれる。

使用機材はいずれも新品とのこと。ビジネスクラスはなく、すべてエコノミー。各シートにモニターが付いている。前に座っていたお兄さんが、映画を観ながらうひゃうひゃ大笑いをしていた。

機内誌も、派手である。今回の特集は"India's 50 most beautiful"だし。無論、容姿の美しさだけを問うている企画ではなかったが。あと、いろんな「おまけいり」の袋もついている。わたしの好きなキャンディーも入っていた!

短時間のフライトでも、軽食はしっかり出ます。これはヴェジタリアン。ココナツミルク入りの野菜シチュー。夫が食べたチキンのシチューの方がおいしかった。

隠し撮りっていうのは性に合わないのだが、でも、堂々と、「撮らせて下さい」とも言いづらく、やっぱり隠し取ってしまったフライトアテンダントの働く様子。

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