OXFORD-WOODSTOCK/ APRIL 13, 2005

4月13日(1)ウィンストン・チャーチルが生まれ育ったブレナム・パレスと庭園へ

寝心地のとてもよいベッドで寝たせいか、目覚めの気分もすっきり。いつものようにバスタブに湯を張りながら歯を磨く。旅行中は普段よりもよく歩くしエネルギーを使うから、朝晩、湯船に浸かるようにしている。そうすると、夜は疲れがとれるし、朝はすっきりとした気分になる。時差ボケにもいい。

旅行中も我々は「ヨガマット」持参なのだが、今回は、ほとんどやらないまま。何しろロンドンのホテルは狭いから、二人してヨガマットを広げてエクササイズをするスペースがないのだ。入浴後に軽くストレッチをするくらい。

さて、朝の身支度をすませたら、朝食のダイニングルームへ。ロンドンのホテルは宿泊料に朝食が含まれていなかったので外で食べていたが、ここは朝食込みである。

ブッフェスタイルの料理の中から、たっぷりのフルーツとヨーグルト、卵料理などお皿に盛る。食事をしながら、今日の予定を考える。夫は米国の仕事のことが、少し気になっている様子。彼が手がけているインド関連の仕事にちょっとしたトラブルが発生しているのだ。すでに彼の手を離れた業務なのだが、少々関わる必要があるらしい。

今回、彼はブラックベリーという米国ではおなじみのモバイルを持参している。メールの送受信機能を備えた小型モバイルで、携帯電話機能も備えている。出発前に、海外でもメールの送受信と電話ができる機種に買い換えたため、最早、GSM方式の携帯電話網がある国なら世界中どこででも、いつでもメールが受け取れるのである。

確かにこのようなモバイルの存在は便利だけれど、しかし一概に、それを「いいこと」とは言い難い。気になり出すと四六時中、メールをチェックするからだ。最早日本じゃ、大勢がその状況なのだろうけれど、わたしはそういう習慣が好きではない。

確かに「非常に大切な仕事」や「大急ぎで必ず片付けなければならないこと」であれば、使う価値もあるのだろうけれど、どうにも「過剰コミュニケーション」としか思えないのだ。

英国はインドと米国の中間地点で、昼間はどちらかの国からのメールが届く可能性があるゆえ、ことあるごとにブラックベリーを取り出す彼。気になる気持ちはわかるが、それでは精神が休まらないだろう。

さて、窓の外は、晴れたり曇ったりで、どうも不安定な空模様。本当はいくつかのガーデンを巡りたいのだが、一方で素朴な村の家々を歩いたり、ただのんびりと、気の向くままにドライブしたいという気もする。

温泉の町、CHELTENHAM(チェルトナム)のすてきなスパでマッサージ……という計画もあったが、昼間の貴重な時間を建物の中で過ごすには、2泊3日は短すぎる。それにチェルトナムのような大きな町よりは、やはり小さな町や村を訪ねる方がいい……。

ということで、ひとまずは、ホテルから北へ車で10分ほどのWOODSTOCK(ウッドストック)という町にあるBLENHEIM PALACE(ブレナム・パレス)へ行き、それから午後は気ままにドライブをしようということになった。

ブレナム・パレスはマルボロ公爵の住まいとして1700年代前半に建設されたパレスで、湖や数々の庭園を擁した、むやみやたらと広い緑の敷地のただ中に立つ。

ここはまた、1874年にウィンストン・チャーチルが生まれた場所としても有名で、パレス内には彼の産着をはじめ、彼に縁のある調度品、また彼が父親に宛てて書いた手紙が多数、公開されていた。館内の豪奢なインテリアや美術品のすばらしさもさることながら、この手紙の内容がおもしろかった。

手紙は主に、彼が学生時代、家族と離れて暮らしていたころのもの。父から譲られた懐中時計を紛失したことに関して、生真面目に、かつ延々と言い訳を書いている手紙があれば、自分は酒や煙草はなるべく控えるようにしている、煙草は吸っても1日に1、2本だ、などと細かく報告している手紙もある。

相当に厳格な父親と、その父を畏怖する彼との関係が、手紙の一行一行に浮かび上がっていて、興味深かった。しかし死後、こんな若い頃の、しかも間抜けな内容の手紙が後世の人々に読まれ続けるというのも、いやなものだな。本人もいやなんじゃなかろうか。

館内の見学を終え、外に出ては見るけれど、どんよりと厚い雲が垂れ込めていて、風は冷たく、とても散歩日和とは言い難い天候。けれどせっかく来たのだからと、しばらく歩くことにする。広大な庭の一部にはバラ園もあり、あと数カ月後が一番美しい季節なのだろうなと思いを馳せつつ、歩く。

晴れた日に、湖畔でピクニックランチ、というのが理想的。今日の気候はあまりに寒々しい。

オックスフォードの町はずれにあるホテル。コッツウォルズ観光の拠点に便利だった。

豆の煮込みやマッシュルーム、トマトのグリルは英国式朝食の定番。ソーセージやベーコンもあった。

正門からパレスまで、しばしドライブ

パレスのエントランスホール

イタリアン・ガーデン

こびとのようだ。

こんなに大きな木の下では。

上の写真の、夫の横にある2つのフックのようなものの正体は、この黒鳥2羽でした。

美しい花を見ると、すぐに匂いを嗅いでみる夫

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