NEW YORK, NY
OCTOBER 15, 2006

蝶と戯れ、爬虫類に眼を見張り、恐竜を仰ぎ、宇宙に抱かれる。

日曜の朝。カーテンを開くと、窓の向こうに広がる澄み切った青空は、しかし風の冷たさを思わせる。部屋で軽い朝食をすませたあと、アッパーウエストサイドを歩く。

まだ10月も半ばだというのに、この寒さといったら。バンガロールで買っておいたパシュミナの、ふかふかと柔らかなストールが大活躍である。

今日は、日曜日。人と会う約束は入れていない。ゆっくりと街を散策し、それから昼食を食べ、アメリカ自然史博物館へ行こうと思う。そして、夜には映画を観ようと思う。

ホテルに隣接するビーコンシアターでは、本日コメディーショーが。有名コメディアンが何人も登場するとあり、夫はぜひとも見たい様子だったが、さすがにチケットは完売であった。

ジューイッシュ系の高級食料品店、ZABAR'S。滞在中に一度はここで朝食を買おうと思う。ここのスモークサーモンは絶品なのだ! 向かいにはマンハッタン名物のベーグル店H&Hがある。

 

日曜のアッパーウエストサイドは、ブランチを食べにカフェやレストランに出かける人が行き交う。わたしたちも、この界隈へパンケーキやワッフルを食べに来たものだ。去年、米国を離れる前に訪れた際には、GOOD ENOUGH TO EATで食事をしたので、今日はもうひとつのお気に入り、SARABETH'Sに行こうということに。

そうなのだ。人気店のサンデーブランチは、いつも長蛇の列なのである。15分くらいならば待とうと思っていたが、なんと1時間待ち。夕べに引き続き、何かと競争率の高いマンハッタンであることを思い出しつつ、さっさと諦める。「パンケーキなら、おうちでおいしいのが焼けるしね」などと、言いながら。

パンケーキの代わりに、いきなり、寿司である。「そこそこの店」で寿司を食べるのはどうかとも思ったが、普段おいしい寿司を食べていない身には、かなりおいしい。我々は昔から食の嗜好が似ている。今日も全く同じものを選ぶ。ハマチとネギ、ウナギとアヴォカド、サーモンとアヴォカドの手巻寿司を各自一つずつ、注文したのだった。味噌汁も、ホウレンソウのごま和えも、結構、いけた。

普段は食べるのが早い夫だが、寿司となると妙にゆっくりと食べる。特においしいものは、やたらとじっくりと、賞味するのである。わたしよりも、実は喜んでいるのではなかろうか、と思える程に。それにしても、街が静かだ。「人が少ないね」「立ち小便をする人がいないね」「でも、たまに臭いね(マンハッタンだもの)」「秋だね」……。とはいえ、ミッドタウンに出れば、喧噪だろう。

日曜日は、交通量もまた、格段に少ない。信号無視をするニューヨーカーは普通で、かつては危険な街に思えたけれど、バンガロールの交通量と往来量に比べたら、なにもないようなものである。

アメリカ自然詩博物館の裏手で、フリーマーケットが開かれていた。ハンドクラフトなどが露店で売られている。

左の写真がアメリカ自然史博物館 (AMERICAN MUSEUM OF NATIONAL HISTORY)。

現在、バタフライと爬虫類のエキシヴィジョンが行われている。バタフライのエキシヴィジョンは、これまでも時折催されていて、何度か「見に行きたいね」といいながら、機会を逸していたのだった。

どちらも見学するとして、時間があれば、プラネタリウムのショーも観ようということに。午後はここでゆっくりと、過ごそうと思う。

インドにはまともなミュージアムがないから、ミュージアムの宝庫であるマンハッタンに来た時くらい、その雰囲気を楽しみたいものである。

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