●宝の持ち腐れ

宝の持ち腐れ。決して響きのいい言葉ではないけれど、このところ、この言葉が頭に何度もよぎる。

引っ越しをして、片づけをして、「あ、こんなところにこんなものが」という物をいくつも発見した。無論「宝」と呼ぶほどのものではないにしても、気づいていれば使えたのに、というもの。

奥深くにしまわれて、日の目を見ないまま、何年も月日を重ねた物たち。結局それらは、あってなかったような物。

たとえばひろびろとしたスペースに、いつでも目に触れられるようにしていたならば、ときどき手に取ったり使ったりすることができたのに。

奥に奥に押し込んで、忘れ去っていた。

私は、私の中に眠っている宝を、早く取り出して、埃を拭き取ってやらねばならない。「宝」と呼ぶほどのものではないにしても。(1/21/02)

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